インテルの製品開発を支えるSFプロトタイピングを読んだ。会社名が入っているせいで何となくビジネス本だと思っていたが、SFプロタイピングを行う上での創作手法に関する話題が主でした。もちろんインテルの話もありますけど。
Sci-Fiプロトタイピングって言葉もあるらしいのでこれもまた調べてみたいなぁ。
SFプロトタイピングとは
SFプロトタイピングは科学的事実に基づいた創作物(これをSFプロトタイプと呼ぶ)を作成する過程で、以下の点を検証してく手法
- 新たな科学やテクノロジーを作り上げるまでに何が必要か?
- 社会問題を解決するために何が必要か?
- 普及した際に起こりうる問題とは何か?
- そしてその対処法は何か?
使用されるSFプロトタイプは未来予測ではなく、検証の出発点として用いる。また、SFプロトタイプで語られるストーリーの主役はあくまでも人間であり、検証対象である新たな科学やテクノロジーは一要素でしかない。その一要素が人間社会、生活にどのような影響を与えるかを描き、検証するのが主な目的とのこと。
SFプロトタイプの作り方
この本ではSFプロトタイプで用いられる主な形式として小説、映画、コミックを挙げている。ただ、いずれの形式でも、一貫して創作過程におけるアイディア、アウトライン、プロットの作成が重要とされている。
ここでのアイディアとは検証対象となる新たな科学、テクノロジー、社会問題の解決方法など。
アウトラインはアイディアを実現するために必要な過程、それらが一般的に普及した場合、人間社会、生活はどのように変化するのか、またどのような問題が生じるのかといったといった点を幅広い文脈で論じたもの
そして、アウトラインに基づき、アイディアを読者に呈示するための登場人物、場所、状況を伴った出来事を線上の連なりに沿って、具体的に書かれたものがプロットとなる。
また、SFプロトタイプの作成過程は5つのステップに分けられており複数人での作業が可能となっているらしい。ステップごとの詳細は書籍を読んで欲しいと思う。面白かったので。
- 科学を選び、世界を作る
- 科学の変化点
- 科学が人々に及ぼす効果
- 人間の変化点
- 何が学べるのか
現実への影響
実際の創作物が科学に影響を与えた点についても取り上げている。
アイザック・アシモフが小説「堂々めぐり」(読んでない)で提唱したロボット3原則は、エージェントとして機械を扱うことで発生する倫理上の問題点を明確にした。
映画「2001年宇宙の旅」(観た、小説は読んでない)では、設計、製造段階で想定されていない状況下において、人工知能(HAL9000)が動作異常を起こした場合の顛末を描いている。これは人工知能が人間社会によくも悪くも影響することを広く知らしめた。また、多くの人々が人工知能に恐怖を抱くようになったことで、その恐怖の影響について研究する分野(HRI)にも影響を与えているらしい。